家を建てられる時に、「(当事務所のような)設計事務所に依頼するのと工務店に依頼するのとどう違うのですか?」と聞かれることがあります。設計事務所も工務店も様々で、一概に回答は出来ませんが、工務店は原則「工事会社」なので、設計を工事と一緒に請け負う場合でも、利益は設計よりもむしろ工事から多く計上されます。必然的に設計に時間をかけることは難しく、こだわりのあるお施主様や変形敷地などの設計に手間がかかる場合は、工務店よりも設計事務所にご依頼頂くことをおすすめします。
また、設計打合せや工事の際には、素人ではわからないような専門的な話に多く出くわします。工務店に設計と工事を依頼した場合は、お施主様が単独で工務店と直接話し合うことになりますが、設計事務所はお施主様の代わりに工事会社と話し合い、問題を解決することが出来ます。裁判に例えれば、設計事務所は弁護士のような役割で、冒頭タイトルの「弁護士なしで裁判をしますか?」という例え話をよく差し上げます。
建設費用については、設計事務所に依頼すると設計料(当事務所では建設費の10~15%)がかかりますので、工務店に設計と施工を依頼した方が安いと思われるかもしれません。但し、工務店の見積り額が最終の仕上がりに見合った妥当な金額であるかは、素人では判断が難しいのではないでしょうか?設計事務所は見積書に記載している数量や単価を確認して、場合によっては複数の工事会社に相見積りもして、専門的な知見から見積り額を査定します。また、工事が見積りの設計図通りとなっているかを監視する工事監理の法規義務(建築士法)もあります。これら設計以外の仕事も一般にすべて設計料に含まれます。
まとめると、工務店ではなく設計事務所に依頼するメリットとしては以下の3つが挙げられます。
1.こだわりのお施主様や変形敷地でも対応可能な「設計・提案力」
2.工事会社に直面することなく仲介できる「調整力」
3.見積額の査定や設計図通りの工事を確認できる「監視力」
設計事務所へ依頼するのは敷居が高いと思われるかもしれませんが、どうぞお気軽にご連絡ください!