- 「西宮の家」新築工事
Triangular house in Nishinomiya


2つの道路と北側からの斜線制限、市条例による建物セットバックという厳しい法規制下で必要な建物ボリュームをまとめました。外壁は敷地いっぱいの建物が周囲に威圧感を与えないように白色を基調としたモノトーンの色彩となっています。

北東側の集合住宅入口高さから見た外観。入れ子状の外側にある白い壁が内部のプライバシーをゆるやかに守りながらも大きな穴を通して街や自然とのつながりを保ちます。

駅がある町の中心部から建物へのアプローチです。敷地のはす向かいは緑豊かな公園です。

道路に面した玄関には玄関ドアが道路から直接見えないように目隠しをするのが一般的ですが、敷地いっぱいに建物を計画した場合は道路と建物の離れが十分でないため目隠しを設置する余裕がありません。
この計画では、玄関から見て人通りの多い方向に袖壁を設置して玄関の目隠しとしています。袖壁は庇と一体となって、建物と道路の間の緩衝空間を提供します。


玄関ホール。玄関は元来、客人を迎えるために花や絵を飾る美術館の展示室のような空間とも考えられます。

1階の寝室から敷地角のささやかな坪庭を望みます。敷地いっぱいに建物を計画しているため庭はほとんどつくれませんが、1階敷地角と2階のリビングダイニング脇に小さな三角形の坪庭を計画します。


2階リビングダイニング脇にもう一つの三角形坪庭があります(画面右手)。大きな庭は計画できませんが、半屋外の坪庭を所々ちりばめ、さらにインテリア壁のアクセントカラーを緑にすることにより暮らしの中で緑=自然が感じられるよう計画しています。

リビング隅の図書室のような空間。はす向かいの公園の緑=自然を望みます。

キッチンからダイニングリビングを望みます。敷地の最大長さ=対角線方向に空間が連続することにより広く感じられます。

キッチンは奥まった所に計画されているので、オープンですがリビングダイニングと緩やかに分節されています。

この住宅はSOHO(仕事・住居兼用住宅)で、階段を境にして「仕事」と「生活」の空間が分かれています。階段はオフィスのような白い鉄骨階段で「仕事」のための部屋をつないでいます。奥の壁はアクセントカラーの緑。


「仕事」のための部屋。

3階寝室から半屋外のバルコニーを望みます。このバルコニーは2階の三角形坪庭と視覚的につながって、より豊かな屋外空間となるよう計画しています。
