丸の内東京駅周辺を歩くと、今でも東京駅舎を写真に収めている人が多く見られます。辰野金吾先生設計で1914年に完成した「中央停車場」を再現した外観は圧倒的な迫力です。19~20世紀のイギリス建築家ノーマン・ショウの影響を受けたと言われる赤と白の煉瓦の組合せは素朴さも感じられ日本人に受け入れられ易いのでしょう。同様の外観と平面の広がりをもつ建物は辺りに無く、そこにかつてそのように建っていたという歴史的事実が無ければ異様な存在とも言えます。
ライトアップされた東京駅を眺めていると、失礼ながらディズニーランドのシンデレラ城を思い出しました。シンデレラ城は15~16世紀のフランス古城をモデルにつくられたそうです。シンデレラ城の演出された歴史性と大きなスケールは、周辺の近代的なアトラクションとは対照的です。東京ディズニーランド30年の歴史の中で、10~20年で姿を消したアトラクションもありますが、シンデレラ城はディスニーランドの中心で「ランドマーク」として存在し続けることでしょう。
復元された東京駅では第二次大戦で焼失したドーム屋根が復活しました。南北の大きなドームの間には小さな尖塔状のドームも多数あります。一つの建物にドームが多いのも辰野建築の特徴でした。シンデレラ城には29本の塔があります。他のディズニープリンセスのお城よりも塔の数が多くシンボリックなのだそうです。やはり、両者は似ているか??